interview

各々の生き方に宿る、リクルートのDNA

データマイニング研究者が月間2億人超のユーザーと向き合う開発者になった理由

村下 瑛

株式会社リクルートホールディングス

人事本部 人事統括 IT人材統括室 IT人材開発部 次世代ITグループ

Indeed

Software Engineer

Profile

村下 瑛(むらした あきら)
2014年新卒入社。大学院ではデータマイニングを専攻。リクルート主催のプログラミングコンテスト「CODE VS」を手伝ったことがきっかけで、Indeedに興味を持ち、リクルートに入社。英語力には自信がなかったが、入社式翌日から1か月間の英語漬け研修、アメリカでのOJT、多国籍の社員がいる東京オフィスの環境で過ごすことで、コミュニケーションレベルの英語力を身につける。
※2016年3月時点です。

60か国28言語で展開する世界ナンバーワンの求人検索エンジン「Indeed」のエンジニアとして、2014年にリクルートに入社した村下瑛。学生時代にデータマイニングを専攻していた彼は、Indeedではデータログを活用し、各ユーザーの特性をベースに適切なマッチングの機会を作ることに尽力しているという。そんな村下が仕事に取り組むうえで心掛けているのは、「限られた時間と能力のなかで、一番意味があることをやる」ということだそうだ。多種多様な人種、才能が集うグローバルな環境で奮闘を続けている村下に、その思いを聞いた。

全世界に月間2億人を超えるユーザーと
膨大なトラフィックがある。
データを使って彼ら全員を満足させることに
とてもやりがいを感じました。

―村下さんは学生時代にデータマイニングを専攻されていたそうですが、どのようなことがきっかけで興味を持たれたのですか?

村下:大学生のときに、表情認識をするプログラムを自作してみたことがきっかけで、コンピューターサイエンスやデータ解析に興味を持つようになりました。当時、有志で集まって、学園祭に認識技術を使った展示を出したんです。実際にたくさんの顔画像データを取得して、どのように機械に表情を教えるかというデモを行いました。表情という複雑な判断を、プログラムが事前知識なしに学習することへの可能性を感じ、この分野を勉強しようと決意しました。大学院ではデータマイニングを専攻し、データマイニング関連の研究開発のアルバイトなどもしていましたね。

―研究職に進む道もあったかと思いますが、就職しようと思ったのはなぜでしょうか?

村下:もちろん、研究職の道もおもしろそうだと考えていたのですが、企業のなかでいままで自分が研究していたことを活かす方が、世の中に与えられるインパクトが大きいんじゃないかなと思ったんですね。リクルートと最初に接点を持ったのは、「CODE VS」というプログラミングコンテストがきっかけでした。その時に初めてIndeedの存在を知り、米テキサス州オースティンにある彼らのオフィスでプレゼンを受けて、彼らが向き合っている課題が日本では関われない規模だったことに惹かれました。全世界に月間2億人を超えるユーザーと膨大なトラフィックがあり、データを使って彼ら全員を満足させることにとてもやりがいを感じたのです。ここなら自分のデータマイニングの知識が活かせそうだと思い、入社することになりました。

―グローバルな環境に挑戦しようと決意されたんですね。入社後はどういう仕事をされてきましたか?

村下:最初の1か月は語学研修で、その後3か月はオースティンに渡り、入社したメンバーが現地のチームにバラバラで配属されました。僕は最初の2週間で業務に使う簡単なアプリケーションを作り、それから検索のパーソナライズをやりたいと自分で手を挙げ、実装させてもらいました。そして、1年目の8月からは東京オフィスで働いています。この会社では、まず「これをやろう」という大まかな方向が会社からアサインされ、それに対して「自分はこういうことがしたい」というチケットを切るんです。そこからは、その人の裁量でどのようにしていくのかということを決めていくという流れです。

小規模なチームでも
大きな裁量を持って開発が進められることは、
Indeedの魅力のひとつだと思います。

―現在関わっているお仕事について教えてください。

村下:広告出稿の自動化を行うチームで、より適切な広告配信とプロモーションをするために、ユーザー行動を一元管理するシステムの開発をリードしています。ユーザーの過去の行動を広告配信に用いることは重要で、広告の閲覧者がどのような人なのかを事前に把握しておけば、より適切な情報を表示したり、不必要なコストを減らすことができます。これまでユーザーの行動はさまざまなログの中に埋もれていて、関心のある行動ごとに専用のスクリプトが書かれていたので、広告配信を速いサイクルで実装・検証するには不十分だったんです。

―どのようにその課題をクリアしたのですか?

村下:このプロジェクトでは、散らばったログから行動を抽出して一元管理することで、さまざまなサービスから参照できるようにしました。ユーザー一人ひとりの行動を時系列順に参照できるのはもちろんのこと、特定の行動パターンの頻度や、過去の検索クエリといったさまざまなメトリックを計算して、それらもデータベース化したんです。このツールを使うことで、メール配信、検索、広告の配信といったサービスを、ユーザーの特性を考慮したより適切なものにすることができると期待されています。

―なるほど。開発チームの体制はどのくらいの規模なのでしょうか?

村下:僕を含めた開発エンジニア2人、テスター1人の小規模なチームです。基本的には、関係者との週数回のミーティングを通して、新機能の定義、開発、テストのサイクルを短いスパンで回しています。小規模なチームでも大きな裁量を持って開発が進められることは、Indeedの魅力のひとつだと思います。

課題解決に対するモチベーションの高い人ほど
活躍できるし、評価されるし、
周りからの刺激をたくさん受けられるはずです。

―Indeedが運用しているシステムは、全世界共通のものなのですか?

村下:はい。外資のWeb企業ではローカライズを行うことが多いと思いますが、Indeedにはその作業はありません。東京オフィスに限らず、どのチームも世界共通で使われるシステムを開発しています。28言語、60か国で月間2億ユニークビジター(2015年2月現在)に対して求人情報を提供しているサイトなので、1%の改善でも大きな効果があります。

―これから先にIndeedが実現させようとしていることについて教えてください。

村下:Indeedは、国や地域ごとに人の手で行われていたマッチングを、「what(職種)」と「where(場所)」の2つのテキストボックスに単純化することで、世界中の求職者に仕事を紹介することに成功しました。その反面、システムを標準化することで個々のユーザーの特性が無視されている部分もあります。その部分を改善し、シンプルなインタフェースで、あらゆる経歴の人に適切なマッチングを提供するサイトにできたら素晴らしいし、社会的にも大きなインパクトがあると考えています。

―全世界にインパクトを与えられるのは大きな醍醐味ですね。どんな人がIndeedに向いていると感じますか?

村下:Indeedでは、エンジニア一人ひとりと課題が近いんですね。解決すべき課題は大きいけれど、企業としての規模は大きすぎないので意思決定が速いし、個人に大きな裁量も持たせてもらえます。能力のある人ほどやれることは多いでしょうね。あと、問題意識が高い人が向いていると思います。例えば、「ここ、イケてないよね」「こんなツールほしいよね」となったとき、週末にさっとプロトタイプを作ってきてしまう人が大勢いるような環境なので、課題解決に対するモチベーションの高い人ほど活躍できるし、評価されるし、周りからの刺激をたくさん受けられるはずです。

リクルートのシステムは生活に深く根ざしているので
コミットできる幅は大きそうですし、
安住を良しとせず、クレイジーなことも
バンバンやっていく雰囲気も魅力的です。

―仕事をするうえで大切にされていることや、提供していきたい価値は何ですか?

村下:できるだけシンプルにすることを常に意識しています。業務の中で上がってくる要望はどれも複雑ですが、それをうまく抽象化して、わかりやすく表現できたときはとてもうれしいですね。システムを開発することで提供したいのは、「みんなの満足度が上がる」「ほしいものがすぐに手に入る」という状況で、それをジョブサーチのIndeedに置き換えると、「ほしい仕事がすぐに手に入る」ということになります。ユーザーの経歴や、過去の行動を理解し、適切な広告や検索結果を表示することは、ユーザーの満足度を高めることはもちろん、求職者と求人企業のマッチングの効率を上げることにもつながります。リクルートのサービスはどれも生活に深く根ざしていて、人生の多くの側面をカバーしています。このリーチの広さと膨大なデータを活用することで、人の価値観に深く根ざした提案を行うことができるのではないかと考えています。

―Indeed、リクルートという環境で今後取り組みたいことはありますか?

村下:データはエンジニアの世界で閉じているのではなくて、誰でも使えるようなプラットフォームを用意して、みんなが簡単に扱えるようにするべきだと思っているんですね。例えば、企業のマーケティングの担当者から一般のユーザーまで、「このモデルを使ってこんなことがしたい」というときにパッと適用できるような、最小限のコストで展開できる仕組みを作りたいという思いがあります。自分たちの社内で有用なものは、きっとほかの会社でも有用なはずです。いま関わっている分野のなかで他社の模範になれるようなものをひとつ作るというのが、まずはやりたいことですね。

—エンジニアとして実現したい夢などがあれば教えてください。

村下:人の人生に対して、何かしらの発見が提供できるシステムを作りたいです。僕が作ったシステムで、実際に人々の選択や価値観が良い方向に変わっていったとしたら、それはエンジニアとしてとてもうれしいことですね。その点、リクルートのシステムは生活に深く根ざしているのでコミットできる幅は大きそうですし、安住を良しとせず、クレイジーなこともバンバンやっていく雰囲気も魅力的です。自分の夢を追求するうえでは、とても良い職場だと思います。

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