interview

各々の生き方に宿る、リクルートのDNA

本当は退職するつもりだった。リクルートで働き続ける道へと導いたマーケティングの魅力

塩見 直輔

株式会社リクルートライフスタイル 執行役員

ネットビジネス本部

ウェブマーケティングユニット長

Profile

塩見 直輔(しおみ ただすけ)
2007年中途入社。出版社で編集職の仕事をしていたが、Webサービス運営の修行を目的にリクルートに転職。入社後は、「リクナビNEXT」MP(メディアプロデュース)部でウェブサービスの運営全般に携わった後、「ホットペッパー グルメ」集客グループでSEOを担当。2013年にはインテリアサイト「TABROOM(タブルーム)」を起案し、2014年、リクルートライフスタイルの執行役員兼リクルートホールディングスのネットマーケティング戦略統括部長に就任した。
※2016年3月時点です。

およそ30を超えるサイト、アプリ、サービスにおけるマーケティング、集客の責任者として、リクルートグループの事業をダイナミックにドライブさせている塩見直輔。IT系出版社での編集者を経て、自身でWebサービスを運営するスキルを獲得するためにリクルートに転職した彼は、サービス運営にまつわるあらゆる仕事を経験した後、スキル集めの最後の1つだったマーケティングに天職を見出したという。国内最大級のインテリア情報サイト「TABROOM(タブルーム)」の新規事業提案を行い、Webサービスを立ち上げる目標も叶えたいま、二足のわらじであってもWebマーケティングにこだわり続ける理由とは?

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
というリクルートの社訓が
「パンクだな」と思って入社しました。

—塩見さんは、リクルートに入社される前は出版社にいらっしゃったそうですね。

塩見:インターネットに関する雑誌の編集の仕事をしていました。関わるのは海千山千のライター陣や取材対象者たち。インターネットの表も裏も見せてもらった後、Webサービスを生み出すためのひと通りのことが学べる場所として、リクルートに入社しました。

—数ある企業のなかでもリクルートを選んだ理由は何だったんでしょうか?

塩見:元来、パンクロックかぶれの少しイタい人間でして。良く言えば独立志向、悪く言えば社会性が乏しい(笑)。人に決められてやるのはダサい、まず自分で考えてみるというポリシーを持っていて。だから、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」というリクルートの社訓を初めて聞いたとき、「パンクだな」と思ってビビビときたのですが……通じるところ、ないですかね(笑)。あとは、とにかくデカいインターネット企業に入ろうと決めていました。転職目的は「将来、自分でWebサービスを立ち上げるための修行」と明確だったので、売上100億円とか、ユーザー1000万人とか、個人では到達できない規模の運営の中が見れるところというのを軸に選びました。

—リクルートに入社され、まずはどんな仕事から始めたのでしょうか?

塩見:配属希望は「いま一番儲かっているところで」とお願いしました。Webサービス運営に必要なスキルを3~4年で集めようと考えていて、経済的な余裕があるところならいろいろやらせてもらえるだろうと思ったんですね。結果的に、「リクナビNEXT」に配属になって、Web編集、開発ディレクション、UI設計、制作、商品企画、カスタマーサポートなどを担当しました。サポートセンター長としてクレーム電話を受けたりもしましたね。

—必要なスキル獲得とはいえ、幅広い実務に携わられたんですね。

塩見:Webサービス運営に関係するスキルはすべて欲しかったのでラッキーでした。現場の各論を実体験としてわかっているというのはすごく大切です。ほかの部署から見ると簡単そうに思えることが、当事者にとっては非常に大変だというのはよくあること。その大変さが感覚的に察知できる範囲が広がったので、統括する立場になったとき「ここまでは強くお願いしよう」「ここから先は諦めよう」と素早く判断できるようになりました。ビジネスにおいては、限られた「時間」「金」「人」のやりくりが常に勝負のポイントになるので、優先順位がすぐにつけられるようになったというのは大きかったですね。

「TABROOM(タブルーム)」を立ち上げた後も
マーケティングの仕事を続けていいという話だったので、
二足のわらじで思う存分やりたいことをやらせてもらってます。

—現在、リクルートライフスタイルではネットマーケティングの執行役員、リクルートホールディングスでもネットマーケティング戦略統括部長でいらっしゃって、「マーケティングの人」という感じですが、マーケティングの仕事をするようになったのはいつからですか?

塩見:スキル集めが残すはマーケティングだけになった段階で、リーマンショックが起き、業績が大幅に悪化した当時の「リクナビNEXT」ではマーケティングの分野にチャレンジできなくなりました。それで、社内転職制度を使って、フリーペーパーからWebに大きく舵を切っている最中だった「ホットペッパー グルメ」に異動したんです。そこでマーケティングの仕事をし始めたら、一通り経験したWebの仕事の要素がうまく噛みあい成果を上げることができました。

—これまでのスキル集めがマーケティングでも活かされたんですね。

塩見:異動から半年後、これはもう運とかタイミングの問題でしかないと思いますが、組織の大変革がありました。そのなかでマネージャーになり、複数のサービスの責任を持つことになり、「ベストなマーケティング組織とは?」を考えることになったのですが、これが、まあ楽しい。当時、まだまだインターネット企業になり切れてはいなかったリクルートという会社をどう変えていくか。いちマネージャーにそんなお題が与えられていたわけではないですが、プレイヤーとしてのスキル集めばかりやっていた自分にとって、組織作りを考えるのはまったく別の筋肉を使う仕事でとても楽しかったんです。しかもその対象組織は、国内最大規模のユーザーと予算を持って運営をしているマーケティング部隊。なんともダイナミックな仕事です。これがなければとっくにリクルートを辞めて起業していたと思います。

—起業してどんなことをしようと考えていたのですか?

塩見:考えていたのは、後にリクルートの新規事業として立ち上げることになるインテリアサイトの「TABROOM(タブルーム)」でした。社外の投資家に会いに行って事業構想を話したところ出資してくれるという人も複数名いたのですが、結果としてはリクルートでやる道を選びました。「起業すれば一攫千金を狙えたのに」と言う方も多いのですが、お金はリクルートのそれなりのポジションに就けばまあまあもらえます(笑)。理由は「両方やりたいから」です。新規事業を立ち上げることも、大企業でダイナミックに組織を動かすことも、両方やりたい。力が分散するのでどっちかを選んだ方がいいという説も正しいとは思うのですが、「両方できないと誰が決めた」とも思うので、二足のわらじで思う存分やりたいことをやらせてもらっています。

—二足のわらじであってもマーケティングの仕事を続けるというのは、好きだからこそできることですよね。塩見さんにとって、Webマーケティングを一言で表すとしたら、どんな仕事ですか?

塩見:「インターネットを使った集客屋」です。リクルートが作っているサービスの魅力を伝え、使ってもらうためのあれやこれやをする仕事ですね。例えばSEO対策やWeb広告の出稿の仕事があって、どんなキーワードが多く検索されるのか、どういう広告がクリックされやすいのかなどを考えていきます。手法はさまざまですが、世の中の人々の思考や行動のパターンを予測して施策を打っていく。最高の形としては、わざわざ集客しなくても使ってもらえるという状態ですが、少しでもそこに近づけるようにサービスの設計にも踏み込んでいきます。そうしていくと、結局、「TABROOM(タブルーム)」の仕事で考えていることと似ていったりします。さきほど「集客屋」と言いましたが、それは広義の「マーケティング」の一部に過ぎません。本来担うべき範囲はもっと広いですし、担えるようにしていこうと企んでいます。

何か爪痕を残したいと考えるなら、
120%熱中できることに
1日25時間取り組むくらいじゃないと
ダメだと思うんです。

—リクルートで仕事をされていて、この会社ならではと感じることは何かありますか?

塩見:あらゆることがボトムアップで進んでいくということですね。反対のスタイルとして、トップダウンの会社があります。経営者の鶴の一声で一方向に進んでいく方が、単純なスピードとしては早いかもしれません。ただ、われわれボトムアップ型は、現場の一人ひとりが経営者の意識で日々を過ごしていて、1対1の勝負になったら絶対に負けないと思っている人が多いですし、そういう人が集まった総体はすごく強い。1つのお題に対し「俺はこう思う」「私はこう思う」と複数の意見が出て、やってみないとわからないことは全部やってみる。自分の意見を信じてチャレンジさせてくれたのだから、絶対にそれに応える。リクルートには、そんなスタンスで動いている人が多いと思います。

—現在塩見さんはチームをマネジメントしていく立場でもありますが、その際にはどんなことを大切にしていますか?

塩見:「現場に近い人間の方が正解を持っている」というのが持論です。外部環境はどんどん変化していくので、変化に近い場所で接している人間の方が正しい感覚を持っているはずなんです。つまり、若手の方が正解に近づきやすく、気を抜くとマネジメント層は老害になってしまう(笑)。各現場の専門家たちが気持ち良く動きボトムアップできる状況を作ることがマネジメント層の仕事だと思っています。一方で、自分もそれなりにわかっていないと彼らを正しく評価できなくなってしまう。だから必死で食らいついて、各論で負けないように努めています。

—スキル集めのときに大事にしていた各論は、いまでも大事にされているんですね。これから叶えたい夢についてもお聞かせいただけますか?

塩見:自分という人間ひとりの人生というのは、宇宙の長い歴史から見たら、とてもちっぽけです。何かをしたところで、宇宙の歴史からするとわずかな誤差にしか過ぎません。それでも何か爪痕を残したいと考えるなら、120%熱中できることに1日25時間取り組むくらいじゃないとダメだと思うんです。だから、「いつも夢中でいられること」が自分の夢ですね。未来がどうなるかはわかりませんが、夢中になれることが複数あるのでいまはリクルートにいるのだと思います。

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