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世の中を撹拌して格差をなくし、
誰もがFOLLOW YOUR HEARTできる
社会をつくりたい。

瀬名波 文野
株式会社リクルートホールディングス
人事本部
グローバル人事
グローバル人事統括室
Advantage Resourcing UK Ltd. /
取締役 兼 Managing Director
ビジネスグロース
2006年新卒入社
エントリー

不利な条件を嘆くより、
自分の力で変えられることに集中。

入社後の経歴をおしえてください。

キャリアのスタートは経営企画室でした。でも1年半が経った頃、そのまま経営企画に携わっていくことに疑問を感じたのです。未来の社会はどうなるか、そのなかでリクルートはどう新たな価値を提供すべきかを議論し決めていく仕事を、商いの現場も知らない、学生に毛の生えたような人間がするべきではないと思ったんです。そこで、「最も厳しいビジネスの最前線へ」と営業職への異動を出し、HR(現リクルートキャリア)の営業に配属され、1年で社内のMVPを獲得することができました。でも、表彰の場に立った時に、愕然としたんです。もしここで人生を終えたとしたら、自分の中で記憶に残るような仕事はひとつもできていないと、悔しい気持ちだけが残って。そのあとは、もう自分が良い仕事だと思える仕事だけをやろうと決意しました。今は、世の中にどういう新しい価値を提供するかということを考えながら、リクルートのグローバル化を担うことが、自分の存在意義だと思っています。入社から現在まで10年、経営企画、営業、海外での事業経営を経験してきたので、その経験を活かしたいと思っています。

なぜリクルートを選んだのですか?

例えばサーフィンのために1カ月半サンディエゴに住んだり、ビジネスを勉強するために留学したはずが、サブで取った狂言の研究に没頭したり、パフォーミングアーツをしてみたり。このように、これまでの人生、常に自分には想像がつかないチャレンジングなことにワクワクし、トライしてきました。就職時、リクルートは何社か内定をいただいた中でもっともイメージが湧かなかった会社だったんですね。その未知の部分にワクワクを感じたんです。 でも、本当は3年くらいで寿退社したいなと思っていた。だから、その3年でめいっぱい働けていろいろな経験ができるリクルートという会社を選んだのです。

リクルートで最も瀬名波さんが変化したと思うエピソードを教えてください。

2012年に、リクルートが買収したイギリスの企業の立て直しを命ぜられ、ディレクターとしてロンドンに赴任しました。220人くらいの現地社員を率いるトップとなったわけですが、日本人はたった一人。現地の人たちからすると、私は買収された日本の会社から来たお目付け役のお姉ちゃんという存在。孤立無援で情報も入ってこない。でも、追いつめられたときは「大丈夫、死にやしない」と思って寝る、そんなことを繰り返すうちに、現場の従業員の心をつかめてきた感覚や、現地の社長をサポートできているという実感がもてるようになりました。ところが、現地の社長が下した私への評価は、「A(普通)」。レビューには、「頑張ってはいるが、そろそろ日本に帰ったらどうか」という意味のことが書いてあったのです。人生で一番頑張った何カ月間かをそう評価されたことが悔しくて、悲しくて、もうワーワー泣きました。

なぜ挫折から一転、現地での信頼を勝ち得、さらに業績向上につなげることができたのでしょうか?

最初は、この負の感情をどうしていいか分からなかった。なぜこんなところに来ちゃったんだろうって。でもね、さんざん泣いた翌朝、ふと、彼らが認めてくれないのは、やっぱり私の能力がまだまだ足りてないからだと思い直せたんです。私はいずれ日本に帰るお客さんとしてここにいるのではなく、純粋にこの事業を良くするためにいるんだと思い直せた瞬間から、エネルギーが前向きに変わりました。なにより、自ら選んでつかんだ機会だし、身の丈以上のミッションを信じて任せてくれた上司、私の仕事のために東京に残してきた旦那さんのことを思うと、ここでおめおめ帰ることはできないなと。周りが協力的でないとか、言葉の壁があるとか、不平を言い出したらきりがないけれど、変えられないことを嘆くより、この状況の中で、自分で変えられるものは何かを考えたんです。そうしたら、周辺の条件は変えられなくても、自分自身のことなら変えられる、さらに半径2~3m以内にいる身近な人との関係性なら変えられることに気づきました。できるかどうか分からないことに手を上げてチャレンジをして、打ちのめされてどん底まで落ちたけど、私が折れなかった理由は、ここにあると思うんです。

背伸びをさせて成長させる。 リクルートの「任せる文化」

リクルートの強みはどんなところにあると思いますか?

日本の古き良き企業では、会議の場で若手は上司が発言するまで待つことが普通だったりしますよね。それが良いとか悪いという話ではなく、そうしたカルチャーがあり、だからこそ守られているものもある。一方でリクルートという会社は、年齢関係なく任せてしまうし、本当にやりたいと思っている人にしかさせないところがあるんです。誤解を恐れずに言うと、リクルートグループには私を含めて際立った天才がいない。でも本気で何かを成し遂げたいという意欲のある人がたくさんいて、会社側もスペックやIQよりも、意志がある人を選ぶ。たとえリスクを背負ってでも任せる文化が、ここには連綿とあるんです。そういう風に身の丈以上のミッションを任せて、背伸びの状態を作り出すことで人が成長することを、本質的にわかっている会社なんだと思います。そこに、この会社の「人を一流たらしめる力」を感じますね。

「0→1」「1→100」でいうと、どちらのタイプですか?

個人的には俄然「1→100」が好き、というか得意です。イギリスでの仕事は一見「0→1」のようですが、今あるものを壊しながら改革していくという作業は、まさに「1→100」でした。新しい事業が生まれるときは、「0→1」が必要だし、それを社会へのインパクトのある事業に育てるには、多くの「1→100」の力が必要です。例えば、「スタディサプリ(旧:受験サプリ)」の構想を最初に聞いた時は、これこそがまさしく「0→1」だって感動したし、一方で、これだけ多くの派遣事業を買収して成功してるのは、やはり「1→100」に長けた人がたくさんいるからなんです。ただ、ここでも大事なことは、誰が「0→1」が得意で、誰が「1→100」が得意かをわかっているということ。それぞれに見合った人員配分をすることなんですね。「0→1」「1→100」が両方揃っている組織というのは面白いと思います。

具体的な例があれば教えてください。

例えば、長年アメリカ本社側が低く評価していた人が、私とのチームアップでどんどんパフォーマンスが上がるといった現象を、アメリカ側のエグゼクティブたちは「セナマジック」と呼んでくれていたのですが、それって、実はごく普通のことをした結果だったんです。社員たちの得意なことを見極めて、今までやっていた不得意な業務から解き放ち、チームの足を引っ張らないようにして、得意な仕事を思いきりさせたんです。そうしたことで個人のパフォーマンスは上がり、その掛け算でチームもスゴい勢いで前進したのです。部下1人ひとりの得意不得意を見誤らないというのは、リーダーの大切な能力だと思います。

仕事を通して世の中のためにしたいことはありますか?

リクルートには、「FOLLOW YOUR HEART」というコーポレートスローガンがあります。直訳すれば、「あなたの心に従おう」ですが、私は「あなたはあなたの生きたいように生きるべきだ」っていうメッセージだと思っているんです。その「FOLLOW YOUR HEARTできる人」を増やすために、社会を攪拌する役割をどう担えるか、これが私のテーマだし、リクルートならそれができる。
今、世の中の格差はどんどん広がり、それがさらに世襲されている状況です。また日本でも子どもの6人に1人は相対的貧困状態の家庭にあるとも言われていますよね。そんな社会の不平等を攪拌してセカンドチャンス、サードチャンスが許される世の中にしたい。例えば私は中流家庭に生まれ、特別な教育を受けてはいませんが、それでも自分の意志でチャンスを手にしてきた。このように、すべての人が望む教育を受け、意志を持ってトライし、失敗しながら学べる社会を作りたいと思います。そして意志があれば人生を切り開いていけるんだよという啓蒙とその方法も伝えたい。
実際、リクルートには、それを実現しているサービスがたくさんありますからね。例えば、「スタディサプリ(旧:受験サプリ)」なんかがそうだと思うんです。田舎にいたとしても、家庭があまり裕福ではない子でも、意志さえあれば、高度な教育、高品質な教育を受けられるという状態にしている。世の中に対して、「どのような新しい価値を提供できるのか」という立場にリクルートは今いると思うんです。その会社をより強くしていくとか、より戦えるようにしていくとか、日本だけじゃなくてグローバルで見たときにも、そういうカスタマーを増やしていく。そのためにもリクルートをどのようにグローバル化するかっていうことが、すごく大事だと思っています。

失敗を許容する会社だから、
「0→1」タイプが
活躍できる。

リクルートの中で「0→1」が活躍できるのはなぜだと思いますか?

「0→1」を生み出すには失敗がつきものですよね。でもそれが許されない今の世の中で、「0→1」の人が活躍できる会社は実は意外と少ないかもしれません。たとえば、リクルートが持っているサービスの半分以上は、社員の創発から生まれているんですが、それはただの氷山の一角。その下にはたくさんの不採用だったアイディアがあります。でも1分の1で当てようと思ったらチャレンジなんてできない。失敗を許容するこの会社の度量があってこそ「0→1」が活躍できる。リクルートってそういう会社だと思うんです。

どんな人と一緒に働きたいですか?

私自身が「1→100」が得意な人だからそう思うのかもしれないのですが、勝ち馬に乗りたい人ではなく、勝ち馬をつくりたい人、つまり「0→1」が好き、得意な人に入って欲しいと思います。
今の時代「0→1」ができる人にとって企業に入る意味が薄くなってきていると思うんですね。起業だって昔ほど大変ではないし、資金集めだってその気になればできると思うんです。でも、事業をスケールさせて、世の中にインパクトを出すということを求めるのだったら、やっぱり一定以上のスピードで、一定以上の規模が必要だと思います。そういう意味でも、自分がやりたいことがあり、それで世の中にインパクトを出したいと思うなら、あなたが「0→1」が得意でも、「1→100」が得意な人が周りにたくさんいるリクルートに入るのは価値あることだと思いますよ。

リクルートに入る前の自分に対して投げかけたいメッセージはありますか?

やりたいことはどんどんチャレンジして、いい失敗をたくさんしなさいということですね。何が得意で何が好きかを知るためには、トライするしかない。その結果、好きと得意の結節点の多いところが、きっとその人の生きる道なんだと思うんです。私は、「足るを知るは富めり」という言葉が好きなんですが、これは「今あるもので満足しなさい、求め過ぎてはいけません」と解釈されることが多いのですが、私自身は「自分がどういう状態だと幸せだと感じるのか、それを知らないと自分を幸せにできませんよ」とうメッセージだと解釈しているんです。自分がどうしたいと思うのかがわかっていれば、それに向かって努力したり、交渉して勝ち取ることができると思うんです。女性は男性に比べて考えないといけない項目は多いですし、時間的な制約もある。でも、何よりも大切なのは、人生を味わい尽くしているかどうか。人生って一度きりだし、短いかもしれないから楽しまなくちゃ。人生は減点主義じゃないんだから。

リクルートという会社は、女性が働く環境としてはいかがですか?

リクルートグループの一部ではリモートワークを推進していますし、女性が働く環境としても良いと思います。私はやりたい仕事のために3年間も旦那さんを日本に置いていたのですが、結構家族を第一優先にしています。もし仮に仕事か家族かを選択することになったら、私は躊躇なく家族を取ります。でも、この会社にいる限りそんな状況にはなり得ない。先駆者が道を切り開いてきてくれていますからね。だからこそ、私も次の世代にバトンを太くして渡し、恩返しをしなくてはと思っています。

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PROFILE

瀬名波 文野(せなは あやの)

ビジネスグロース
2006年新卒入社
新卒入社後、経営企画室に配属、新規事業コンテスト「New RING」を担当。その後、厳しくもリアルなビジネスの現場を求め、2008年からHR(人材 社員募集領域)へ異動し大手担当営業に。日本を代表する企業を相手に、採用ツールリニューアルから新卒採用抜本改革、海外人材採用、海外現地法人の採用まで、ソリューション営業として採用活動支援に取り組む。在籍した4年間の全四半期連続で売上目標を達成し、さまざまな賞を受賞。2012年「いつかは海外で働きたい」という希望を叶え、イギリス・ロンドンへ。Advantage Resourcing UKおよびAdvantage XPO、2つの事業の代表取締役として220人の現地従業員を率いる。2015年に帰国し、リクルートホールディングスR&D本部事業開発室室長に就任。 マイノリティ出資後のスタートアップ企業の経営陣などを相手に、事業推進役として活躍を続けている。2016年4月より現職。2016年 Forbes Japan 「世界で闘う日本の女性55人」に選出。